PMOとは?
PMO(Project Management Office)は、プロジェクトを円滑に進めるための支援組織です。わたしの経歴の大部分を占めるこの仕事は、IT業界以外の方にはなじみが薄いかもしれません。
なぜIT業界でPMOが必要なのか
IT業界では多くの業務が"プロジェクト単位"で動きます。例えば、「会社のみんなが使っているパソコンを新しいものに変えましょう」というプロジェクトを考えてみましょう。
対象が2~3台であれば、パソコンに詳しい人と決裁権を持つ管理職で決められる話ですが、これが何千台~何万台になると、以下のような複雑な要素が絡んできます。
- 部署ごとに入れ替え時期の調整
- 既存ソフトウェアとの互換性確認
- 仕様の決定(OS、スペックなど)
- 予算管理と発注計画
- 納品スケジュール管理
「パソコン変えたら経理ができなくなった」なんてことが起こらないように、計画を立てて新しいパソコンで検証しながら進めていきます。お金と時間がかかるため、プロジェクトという形をとり、そのプロジェクトを円滑に進めるための支援組織が必要となります。
PMOの主な業務内容
1. 若手PMOの基本業務
要員・端末管理:
- プロジェクトメンバーの座席配置
- 必要資材の手配と管理
会議運営:
- 会議室の確保
- 参加者の日程調整
- 会議進行と議事録作成
成果物管理:
- プロジェクト文書の整理・保管
- ドキュメントの版数管理
- 関係者への配付管理
2. 経験を積むと担当する業務
- プロジェクト計画の策定支援
- 進捗管理・課題管理
- 品質管理
- 予算管理
- ステークホルダーとの調整
求められるスキル
必須スキル
PCスキル:
- Excel(基本関数、ピボットテーブル)
- PowerPoint(企画書・報告書作成)
- Word(ビジネス文書作成)
コミュニケーションスキル:
- メール作成能力
- 電話対応
- 報告・連絡・相談
あると望ましいスキル
- 英語力:グローバルプロジェクトの場合(TOEIC 600点程度〜)
- 資格:ITパスポート(まずはここから)
基本情報技術者、応報情報技術者
PMP(上級者向け)
向いている人
- 整理整頓が得意
- 細かい作業が苦にならない
- 段取りを考えるのが好き
- コミュニケーションが好き
向いていない人
- 場当たり的な対応を好む
- 文書作成が苦手
- 複数の作業を同時に進めるのが苦手
- 締切を守るのが苦手
キャリアイメージ
キャリアパス
1. 入門レベル(0-2年)
- 会議運営
- 文書管理
- スケジュール管理
2. 中級レベル(2-5年)
- プロジェクト計画策定支援
- 進捗管理
- リスク管理
3. 上級レベル(5年以上)
- PMO責任者
- プロジェクトマネージャー(PM)
- PMO部門マネージャー
給与の目安
企業規模・業界・個人のスキルや実績によって大きく変動し、正社員・派遣・フリーランスなどの雇用形態によっても差があります。継続的なスキルアップと経験の蓄積が、PMOとしてのキャリアアップと年収向上につながります。あくまで目安としての金額ですが、女性でも高い給与を得ている人がちゃんといる職種です。
- 未経験初任給:月給25-30万円
- 3年程度:月給35-40万円
- PMO責任者:月給45-60万円以上
一日のスケジュール例
09:00 始業、メールチェック
09:30 朝会(進捗報告)
10:00 会議資料作成
12:00 昼休憩
13:00 プロジェクト会議
15:00 議事録作成、タスク更新
16:00 課題管理表更新
17:30 翌日の準備、報告書作成
18:00 終業
転職時のポイント
求人を探す際のキーワード
- PMO
- プロジェクト管理支援
- プロジェクトマネジメント
- プロジェクト管理事務
準備しておきたいこと
基本的なIT知識の習得:
- ITパスポートの勉強
- 基本的なIT用語の理解
PCスキルの向上:
- Excelでの集計、Excel VBAの基礎理解
- PowerPointでの資料作成
- ビジネス文書作成
プロジェクト管理の基礎知識習得:
- プロジェクトマネジメント入門書の読書
- プロジェクトマネジメントに関するオンライン講座の受講
ツールの基礎知識:
Microsoft製品のツールは幅広い会社で採用されています。こちらを勉強し理解しておくと、その他の類似製品に応用しやすい点もメリットです。
- Teamsでのオンライン会議やチャット
- Outlookを使用した効率的なメール、予定表の活用
- OneNoteやNotionでの情報整理
PMOは未経験者でもステップを踏んで着実にスキルアップできる職種です。基本的なPCスキルとコミュニケーション能力があれば、業務を通じて必要なスキルを身につけていくことができます。特に、整理整頓が得意で、チームでの作業が好きな方に向いている職種といえます。
プロジェクトの規模や内容によって求められるスキルは異なりますが、基本的な業務から始めて徐々にスキルアップしていける環境が整っているのが特徴です。まずは小規模なプロジェクトでPMOの基礎を学び、経験を積みながらキャリアを築いていくことをおすすめします。
PMO業務についてもっと聞いてみたい方は「お問い合わせ」からご連絡ください。
こちらもCHECK
-
【転職実例】26歳女性が飲食店店長から未経験でIT企業のPMOへ転身した事例
元飲食店店長を務めていた26歳女性が、IT企業に転職した事例をご紹介します。彼女は、大手居酒屋チェーン店の店長でしたが、今では大手SIer企業でPMO職として活躍しています。この記事では、彼女が未経験からIT業界への転職 ...
続きを見る