転職を考え始めると、最初に多くの方が思いつくのは、転職サイトへの登録です。リクナビやマイナビやdodaといった名だたる転職サイトがあり、それらに登録して企業を探して応募するのが一般的です。そして、転職エージェントの力を借りながら進めていきます。
しかし、転職エージェントには「転職エージェント 意味ない」、「転職エージェント 不満」など、ネガティブな情報もあります。それらの情報には、自力で求人を探せるからいらない、過去に満足できない経験がある、などの理由が見受けられます。
改めて転職エージェントのメリット・デメリットをふまえて、どんな人がどのように活用すると良いのか、わたしの視点で解説します。
転職エージェントの5つのメリット
転職エージェントを利用する主なメリットは以下の5つです。
1. 無料で利用できる
企業側が費用を負担するため、転職希望者側の金銭負担はありません。転職サイトに募集要項を掲載すると企業側がいくら支払うとか、転職が決まったら何%支払うという形態であるためです。
2. 転職活動時間の大幅短縮
効率的に転職活動を進められるよう、求人情報の収集、面接の日程調整などのサポートがあります。
3. 非公開求人へのアクセス
一般公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえるため、優良企業案件に応募できる可能性があります。ただし、非公開求人が優良企業であるとは言い切れませんし、それらの企業があなたにマッチするかどうかは別問題です。
4. 企業の内部情報の提供
エージェントは企業の詳細な情報を持っているため、求人サイトや企業のWebサイトの記載だけでは分からない、リアルな社内の様子や雰囲気について知ることができます。
5. 転職成功率の向上
転職エージェントを通じた転職成功率は、一般的な直接応募よりも高いです。具体的な数字としては以下のようなデータがあります。
- 企業規模によって差があり、人気企業や上場企業では約60%が転職エージェント経由で採用されている
- 中小企業やベンチャー企業では、約20%が転職エージェント経由で採用されている
- 転職エージェント利用者の42.9%が転職時に年収アップに成功
- 複数の転職エージェントを利用することで、成功率がさらに向上
参考:3社利用で74.3%が満足・成功と回答している調査結果があり、1社のみ(66.5%)や2社(70.5%)と比べて高い
転職成功率が高い理由には、以下のような点が挙げられます。
1. 専門的なサポート
転職エージェントは業界や職種に特化した知識を持っており、求職者に対して適切なアドバイスや情報を提供します。その専門性を活かして、自己分析のサポートやキャリアパスの提案も行います。
2. 履歴書や職務経歴書のブラッシュアップ
転職エージェントは応募書類の作成を手伝い、より魅力的に見せるためのポイントを指摘します。これにより、選考通過率が向上します。
3. 面接対策
模擬面接やフィードバックを通じて、面接スキルを向上させることができます。
4. 交渉
給与や条件についての交渉をエージェントに依頼できます。求職者自身では難しい条件交渉が実現しやすくなります。年収交渉って、日本人にはちょっとやりにくいですよね。。
転職エージェントのイメージを刷新する
転職エージェントの主なデメリットは以下の3つです。
1. エージェントによる質のばらつき
転職エージェントのスキルや経験によって、提供されるサービスの質が異なる場合があります。ただし、合わない場合、変更できるシステムも構築されています。
とあるサイトでは「エージェントを変更する」というボタンがマイページに表示されています。そのボタンを押すと、「今紹介している情報がクリアされますが良いですか?」といった、そのエージェントに絡む応募がリセットされる旨のメッセージが表示されます。電話やメールでやり取りすることなく、簡単に変更リクエストを出すことができます。「相手に悪いな、、気まずいな…」と思って、合わないエージェントと続ける必要はありません。
2. 自分の希望に合わない求人を紹介される場合がある
希望やスキルに基づいて求人が紹介されますが、場合によっては希望と異なる求人が提案されることがあります。これ結構多いです。
3. 転職を急かされることがある
転職エージェント側は、企業と求職者をマッチングさせることで報酬を得ていますので、時に転職を急ぐよう促されることがあります。特に質があまりよろしくないエージェントに見受けられる行為です。つまり、目の前の売上にとらわれて、あなたのことをあまり考えていないがために、そのような言葉が出てきます。
わたしはこれらのデメリットについて、ただ感情的にNGとするのではなく、以下のように考えます。
希望に合わない求人を紹介する背景は、エージェントの質が悪いのか、それとも意図的なものか
- 質が悪ければ、単に理解不足・知識不足。付き合っていられなければ、変更をリクエストする
- 質に疑問がわかなければ、紹介する背景をたずねる
例えば、内勤での事務職を希望しているのに、営業職を紹介されたケースの事例
- そのまま受けとめれば、アンマッチで不要な案件
- 話を聞いてみると「職種としては営業職だが、この会社は自発的に行動できる事務を募集している」とのこと
- 「今ある形式にとらわれず改善していく姿勢を持っている方に向いている」と考えており、あなたが活躍できる場と考えて紹介した
- 「職種だけではNGだが、年収も期待できるため、考えてみてほしい」とのこと
→ 書類選考・面接と企業の方と話をするうちに、自分のスキルを活かせることに期待を持てるようになった
転職を急かされる背景は、エージェントの質が悪いのか、それとも意図的なものか
- 質が悪ければ、単に経験不足・配慮不足。付き合っていられなければ、変更をリクエストする
売上ばかりを意識している転職エージェントは淘汰されていく - 質に疑問がわかなければ、急かす背景をたずねる
”エージェントとあわない”と思うのであれば、無理して継続する必要はありません。しかし、問題なさそうなエージェントであれば、しっかり会話して確認していくことが重要です。
例に挙げたとおり、紹介案件の中には「希望とアンマッチに思える案件の紹介」も含まれてきます。それに画一的にNGを出すのであれば、転職エージェントを使う意味が半減します。
メリットにも挙げたように、転職エージェントには書面だけにはない情報があります。自分の目線だけだと可能性を狭めてしまうため、別の視点をもったエージェントを活用する意味を考えましょう。
また、転職エージェントは敵ではありませんし、利害関係があるわけでもありません。あなたの味方のひとりです。だから、自分の意志を大切にして、その想いを伝えて、コミュニケーションをとっていくことが何よりも大事です。違和感があれば、それに対しても伝えることで、よりよい関係が築け、転職成功率が上がります。
転職エージェントの「部分的活用」戦略
転職エージェントの利点を総括すると、自分にはない第三者の視点を得られることです。
ただ、人によっては転職エージェントが提供するサービスをすべて必要としないこともあります。わたしもその一人です。
わたしはベンチャー企業や小規模企業を好んでおり、各企業の公式サイトの情報もふまえて応募を決めたいと考えています。だから、応募先の選定は自分で行うのがよく、案件紹介は希望していません。だから、業界に関する情報提供や書類添削をお願いしました。
担当エージェントの方は、この想いを理解してくださり、おすすめの応募方法やそれにそった書類添削をしてくれました。また、これ以上はサポートが必要ない旨を伝えたところ、特に食い下がるようなことはなく、エージェント解除の手順を教えてくれて、すんなり終わることもできました。
キャリアコンサルタントであるわたしが転職エージェントを利用して思ったことは、「やはり第三者の視点を得られるメリットはとても大きい」ということです。他の一般の方より悩むポイントは少ないですが、ひとりでやる場合と比べて、質とスピードが変わります。だからこそ、みなさんに転職エージェントをおすすめします。
正直、「どんな対応されるだろう…?」と不安でしたが、話してみて全く嫌な気持ちになりませんでした。転職エージェントの方が、自分より年齢が上だったこともあり、素直に色々話せてありがたかったです。
転職エージェントのサービスを部分的に活用する場合、以下のようにポイントを絞って利用しましょう。
- 書類添削だけを依頼
- キャリア相談のみ
- 非公開求人情報の閲覧、情報提供依頼
- 面接対策のサポート
多くの人が抱く先入観とは裏腹に、優良なエージェントは求職者のキャリア成長を最優先に考えています。安心してぶつかっていきましょう!
よくある不安・疑問Q&A
登録したら転職を強制されるの?
強制されません。相談だけで終了することも可能です。意思をはっきり伝えてください。
個人情報は安全?今の会社にバレたくないんだけど。
個人情報保護法に基づき、厳格に管理されます。現在の勤務先にバレることはありません。マイページから拒否リストに登録したり、マイページに登録した情報をすべて非公開にすることもできます。
良いエージェントとは?
- あなたの話をしっかりきける
- あなたの希望する業界や職種に詳しい
- あたなにあわせたスピードで進めてくれる
- 本人も転職経験がある
- 企業側の情報を積極的に収集している
登録の流れは?
- ざっくりオンライン登録(5分)
- 無料カウンセリング予約 ※希望日時があれば早めに予約する!(キャンセル料はかかりません)
- 経歴を登録したり(まだざっくりでOK)、求人を確認する
わたしは「非公開求人ってどんなものだろう?」と気になって登録したものがあります。登録時に色々入力を求められますが、あとで修正できるのでかなりざっくり登録しました。マイページができて中身を確認して、「ここは違うな」と思えばそのまま退会したケースもあります(ごめんなさい)。
実際の使用感や検索性は、ログインしてみないとわからないため、無料登録は気軽にやってみるのもひとつです。
転職は勇気が必要です。エージェントは、その一歩を力強くサポートする心強いパートナーです。また、あなたの可能性を最大限に引き出すナビゲーターでもあります。
もしあなたが今の仕事を続ける自信がなくなっているなら、転職しようかどうか悩んでいるなら、まずは無料登録という一歩を踏み出してみませんか?
この記事があなたの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。よかったら、こちらから一歩を踏み出してください!