「SES」という言葉を聞いたことがありますか?IT業界におけるSES(System Engineering Service)は、顧客企業に常駐して技術サポートを行う契約形態です。実態としては「技術者派遣」と考えるとわかりやすいと思います。そのSESを「東京」と似ていると感じたわたしが、そう思った背景とキャリアの結びつきについて解説します。
かくいうわたしも地方出身者。東京に定住してしまったわたしが、感じている心地よさをふまえて説明します。
多様性の宝庫
SESの多様な人材
SESの特徴は、本当に多様な人々が集まっていることです。例えば、とあるSESのオフィスでは、元ミュージシャンが今はシステム開発の仕事をし、別の人は旅館勤務の経験を活かしてITプロジェクトに携わっています。まるで、それぞれが違う物語を持つ人々が、一つの舞台に集まっているような感覚です。
東京の多様性
同じように、東京も日本中、そして世界中からやってきた人々でいっぱいです。渋谷を歩けば、北海道出身のデザイナー、福岡から来たエンジニア、海外からの留学生など、実に多様な人々が行き交っています。
関係性の複雑さ
SESの人間関係
SESは、プロジェクトによって常駐する場所(会社)が変わります。プロジェクトが終われば、基本的には解散となります。そのため、関係性は流動的で、深くならないこともあります。まるで、大きなネットワークの中で、緩やかにつながっているような感覚です。仲良くなった人とは、プロジェクトが変わっても継続して連絡することはありますが、ずっと一緒に仕事をする、というのはあまり多くありません。
東京の人間関係
東京でも似たような現象が起きています。マンションの隣に誰が住んでいるかわからないほど、関係性が薄いことがあります。それでいて、必要な時にはつながることができる。そんな不思議な環境なのです。
多様性がもたらす心地よさ
わたしが感じたSESと東京の魅力は、その距離感の心地よさでした。近すぎず、遠すぎず、自分にとっては良い距離感でした。また、同じ興味を持つ人と出会いたいと思えば、その可能性がぐっと広がります。小さな環境だと、周りが見えすぎて窮屈に感じることがありますが、SESや東京は違います。
例えば、趣味が「ヴィンテージカメラ収集」だとします。地方の小さな町だと、同じ趣味の人を見つけるのは難しいかもしれません。しかし、SESや東京なら、そういう人々と出会えるチャンスがぐんと増えるのです。今でこそSNSでどこにいても簡単につながることができますが、実際に会って話してみたり、というのは東京にいるとより簡単なことです。
新たな環境への誘い
今の仕事や環境に窮屈さを感じている方へ。SESのような環境で働いてみるのも、一つの選択肢かもしれません。IT業界でなくても、多様性に富んだ環境は、新しい刺激や可能性を与えてくれます。
地方出身で東京に居心地の良さを感じているあなたには、むしろ向いているかもしれません。
SESと東京は、一見すると関係のない二つのこと。しかし、多様性と緩やかなつながりという点で、類似点があります。今の社会は、どんどん流動的になっています。その中で、窮屈さから解放され、自分らしく生きられる環境を見つけることが大切なのかもしれません。